GoogleがiOS 9の広告ブロック機能を無効にする方法を公開
この記事タイトルを見たときには
ついに抗争が始まったか…!
と震えましたが、実のところはそうでもない感じ。
上の記事で「Googleが無効にする方法を紹介した」としているのは「App Transport Security (ATS)」という、アプリ内のHTTP通信をHTTPS通信に置き換えてしまうもの。 (HTTPはエラーで落ちるという話もあり。そのへん未確認)
なので、iOS9で搭載されると噂されている、Safariのアドオンとしてある広告ブロック機能とは別なのかなと。
これをやられると当然、今までHTTPの通信をしていたものはサーバーがHTTPSに対応していなければ接続できなくなり、通信エラーになる。
GoogleのiOS向けライブラリがどういう作りかはわからないけれど、結果的に広告をつけたアプリで広告が受信、表示できなくなるから、それを避けるための方法として提示したのでしょう。 つまりアプリに広告をつけている開発者向けであって、Safariの広告ブロック機能を殺すわけではなさそう。
また、この機能はXCode7でビルドした場合に有効になるようで、今リリースされているバイナリはそのまま動きそうです。
「セキュリティの低下が」という声も当然ありそうな措置ですけれど、影響範囲としてはその開発者がリリースしているアプリのみで、端末全体の設定変更とはならないと思うので、 言ってしまえば現状(iOS 8以前)と同じになるというところじゃないでしょうか。
セキュリティを強化したと言っているところを戻しているわけなので、下がるといえば下がります。
ATSの影響範囲はアプリ全体に及び、WebViewなんかも駄目のようなので、自社で完結しているわけでは無く他のサイトとかを参照していたりするアプリでは、地味につらいことになりそうな気はします。(そういうためのオプションなんでしょうか)
個人的な感想としては、広告用ライブラリを提供しているプラットフォームが回避策として提示することにそれほど違和感はない感じで、でもどうせそのうちATSを無効にしているとリジェクトされるというオチが待っているでしょうから、ちゃんとした修正までの時間稼ぎという感じなのかと思います。
Googleだけじゃなくて既存アプリの修正なんかでも関わってきますね。アプリ側の問題じゃなくて、サーバーのほうでHTTPSの受け口を用意しないといけないところが厄介。
でもHTTPSメインでいくという姿勢をAppleが取ったならば切り捨てられていくんでしょう…
結論として、Safariでブロックされる広告は救われない。たぶん。
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