巷で喧々諤々とされてる安保法案について


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 日に日に目に付くことが多くなってきている安保法案について、いろいろとありすぎてわからなくなってきているところがあるので、自分の考えをまとめるためにも文章にしてみようと思った。 最初はフラットにまとめるところから考えていたけれど、いろいろ見ていくうちにすでにまとまっているサイトをみつけたので、そこはもうそれで。 集団的自衛権の行使容認 (MEDIA WATCH JAPAN) インターネットは広大だわ。  

 以下は今の時点で個人の思うところをつらつらと。まあ、居酒屋談義です。また変わるかもしれませんしね。

違憲か合憲か

違憲。

自衛隊法76条に追加される自衛隊の出動要件、「二 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び 幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」が、話題の肝になっている、日本国憲法9条

国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

における、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」に抵触すると考えるから。

 

 これが集団的自衛権云々の話だと思うのだけど。確かに「自衛」としては、「これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び 幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」に出動するのは正しい。けれどそれが「他国に対する武力攻撃」への出動ということになると、「国際紛争を解決する手段としての武力行使」になるんではないかと思っている。

 一方で、防衛省の憲法と自衛権では、「パワーバランスの変化や技術革新の急速な進展、大量破壊兵器などの脅威などによりわが国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、変化し続けている状況を踏まえれば、今後他国に対して発生する武力攻撃であったとしても、その目的、規模、態様などによっては、わが国の存立を脅かすことも現実に起こり得ます」とあり、つまり自衛の範疇だという。これはこれで、必要性は理解できる。    

 

 砂川事件においては確かに、「わが国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のことといわなければならない」とあって、自衛の措置が集団的か個別的かという文言ではない。が、その解釈が憲法上の文言と明確に衝突するとしたら、文言のほうが強いでしょう。

 また憲法の前文「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる」からすると、集団的自衛権を認めていかないといけない感じもするけど、この「前文」は理念的なものだと考え、続く条文で明確に禁じ手とされているなら、それ以外の手段で、という話をしないといけないかなという。  

 

 ここでの、「自衛」か「紛争を解決する武力行使」かという個人的なジャッジの線引きはどこかと考えていくと、「国内」か「国外」かって話かなと思います。たとえば、攻め込まれて戦うという話は国内の話で、他国が落とされると拙いから援護するというのは国外の話。 専守防衛というのはかなり厄介な縛りではあるなあ…とは思います。基本的に撃退することしか許されていないという。「間接的な影響があるから叩いておかないと拙い」という話では、その許容外になってしまうと思っています。    

賛成か反対か

反対。

 

 現状だと上に述べたように「違憲でしょ」の一言で終わってしまう。 ただ、それはこの法案がパッケージング化されているためまとめて落とすしかないからであって、個別に見ていくと通したほうがいいんじゃないかなというものはある。 武力行使を除けば、判断の基準を存在危機事態とするのはいいのかなという感じでもあるし。 在外邦人の保護なんかは、「場所は国外でも国の内部のこととして対応する」感じで「自衛」の範囲だと思う。    

 

 このあたりもうちょっと細かくバラしてくれればよいのにと思うんだけど、まとめて賛成か反対かって話しかしていないので、残念なところですね。 あと、概要のPDF読んでるんだけどすごいわかりづらい。何ができるようになるのかというのがよくわからない。そしてすっごいざっくりした印象、「アメリカ軍により協力できるようになります」  

 また、これは印象論になるんですが、武力行使が「自衛のための最後の手段」じゃない感じがするのですよね。説明的に。 たとえば海峡が封鎖されて深刻な事態になる、という話。そこに武力介入が一番手っ取り早いのかもしれないけど、ほかの方法を考える気はないのかという。 これについては、今話されている議題が「最悪そうなったとき」のことなので仕方の無いことなのかもしれないですが、うーん。  

 

 なので違憲かどうかというのを除いたとしても、内容的に自衛のためというより積極的にかかわっていこうみたいな印象があって、あまり賛成はできない感じ。 でも現代において国同士の連携は大切だし、概念的に必要性は理解できなくもないので、仕方ないといわれれば仕方ないのかなあと思うところもありますね。 そういう話をすると、連携するということは派閥を作るということでもあるので、特に仮想敵国がどこという話とセットだと余計に煽る結果になるというのもまたある気はしますが。  

 そういえばこれに反対とかすると「戦争反対なら中国に言え。向こうから攻めてくるから」みたいなのを見かけたりしますけど、そんな話はしていないし、そんなこといわれてもなぁ…って顔しかできないですよね。  

「戦争法案」という呼称について

 だいぶん定着しちゃった感じある。 この呼称が正しいかどうかというと、正直どちらともいえないというか。ただちに戦争状態になるということはないと思うけど、法案の使い方と状況によっては、結果的にそうなる可能性は否めない感じ。

 そしてそれは、日本が戦争を望んでするというより、米国のさじ加減次第みたいなところで、より歓迎できない状況なんじゃないかなあと思う。  

 このへんで思うのは、湾岸戦争のときに自衛隊が「金だけ出して血を流さない」とディスられてた話。当時子供だったし後から聞いた話だったかもだけど、そういう批判が流れていた気がします。

 

今度は血も流せるようになったよ! やったね! みたいなふうにならないといいですね。  

徴兵されるかという話について

それはない。少なくとも安保法案でそれはない。今のところはそう思う。

 

 ただし、世の中には徴兵でもして鍛えてみたらどうかねという人たちもいるので、徴兵自体の可能性は否定しきれない。床屋談義かと思ったら都知事とかもいるしなあ。 でも安保法案デモでそれを訴えるのは完全にあさっての方向向いてて支持得られないと思うので、それはそれとしてそういう御年配の方々を要職につかせないような世論とかそういうのが必要でしょう。  

 将来的な可能性として、憲法が改正されて戦力を持ち、それを増強するために入隊させられる(これは数合わせではなくてちゃんと鍛えるため)という流れは否定できませんけれども、少なくとも直近の話ではないし、この安保法案が布石ともあんまり思えない。  

じゃあどうすればいいのか

難しいですよね。「こいつは駄目だ」とは言えるんですが。方法を考えるとなると見えてるカード、伏せられてるカード、前提条件の把握などが不足しすぎていて無理。

そういうところはそれこそプロの政治家の方々にお任せしたい。 そもそも、「どうするって、何を?」って話かもしれないですし。  

 

 こういうときに反対とかいうと「対案出せ」みたいなのが沸いてくるんですが、それは筋違いだと思っていて、こっちは主権者なので提案を却下する権利があるんじゃないかと思います。 悪いがその案は呑めない、みたいな。 そもそも却下もまた案のひとつですし。「結婚して!」「いやだ」「なんでだよ! じゃあ対案だせよ!」とかいわれても困るでしょう。 ただ政治家の方々には、問題が提示されているときは対案を期待したい。

 たとえば中国のあれそれとか、それこそ「それの解決に安保法案は必要ない」という話をしてほしい。 まあ、中国の話は、安保法案があったからどうなるというのかよくわからないですが。どうなんでしょうね。  

 案が採用できないなら現状維持ですよ。保守的なもので。  

さいごに

 これはまあ、ここまでの話ぜんぜん関係ないんですけど罵倒とか嘲笑とか飛び交ってるとあんまり近づきたくない。 結局、支持している考えが違うだけで中身一緒だなあみたいな感想になるときもある。そういうのつらい。

 このところのそれらってそういうふうに憂さ晴らしして結局するっと与党の言い値で通過してから野党が「俺たちはこんなに反対していたんだ」みたいなプロレスになってる気がしてつらい。

 あと賛成しているのは現政権支持者の方が多いと思うのですけど、この法案が確定した後でランボー怒りの浮動票により政権交代する可能性想像して、それでも支持できるかは考えてみてほしい。できるなら大丈夫。

交代の可能性をハナで笑われそうな気もしますけど、実際ありましたよね、ちょっと前に。

  参考 平和安全法制等の整備について (内閣官房) 日本国憲法  

 

【9/19追記】 安保法案、可決されましたね。 今後どうなっていくかは、どうなっていくのでしょうね。 これだけ騒がれたものなので、あからさまなことはすぐにやったりしないと思いますけど。 基本的には何かが起こらなければ何事にもならない(そしてそのほうがいい)やつなので、今後の評価としても難しいところあるとは思います。  

 今回の件では学生運動と創価学会員の反発がすごく予想外でした。 数で押したらするっと通ってしまうものだと思っていたので、ここまで注目されるとは。 これも踏まえて次回の選挙からどうなるのか。まず投票率上がるといいなと思ってます。  

 内容については最後まで平行線でしたけれど、元気会が付帯決議をつけた点はよかったと思っています。これでだいぶロックされることになるんではないかと。 賛成議員の落選運動とかも始まりそうみたいですが、数で押し切られることは明白でしたし、こういう現実的にマシにする努力をする動きについては吟味して欲しいと思います。 廃案が妥当というのはわかるのですが。  

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