正しい「普通」と正しくない「普通」


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 「普通」とは、「普通○○だろう」みたいな形などで割とよく使う単語だと思います。

 ただこれ、言われてすんなり「なるほど」と思うときと、事の是非に関係なくめちゃくちゃイラッとするときとあるのですよね。

 それについて考えていて、割と整理できたと思うのでちょっと書き残しておきたいと思います。

二種類の「普通」

 「普通」が使われたときにそれが示しているものが、実は二種類あるのではないかと考えたのが発端です。

 ひとつは、事実や物理現象など、覆しようのない「普通」。もうひとつは、個人の常識に基づいた、経験則的な「普通」。

正しい「普通」と正しくない「普通」

 この二つの「普通」について、前者を「普通」と表すことは正しく、後者を「普通」と呼ぶことが正しくないと、たぶん私は考えているのだろうと思いました。

 前者の「普通」とは広く認識されている事実。例えば「ボールペンを持ち上げて手を離すと普通そのまま下に落ちますよね」と言われても、それについてどうこう言いたくなることは特にないと思います。

 一方後者。「ブラウザと言ったら普通インターネットエクスプローラーだろ」とか言われたら、「そうだね」って言う人と「は??」って言う人に別れるのではないでしょうか。

 たとえ文脈的に、インターネットエクスプローラーのことを指しているのが正解だったとしても「何言ってんだこいつ」って感情が先にくることを止められないので抗争が始まります。

 

 私が普通普通やかましい圧迫クソ野郎に毎週毎週辞表を叩きつけたい気分になるときの「普通」は、たぶん後者なのではないか。この分類に気づいたときに、何か前が開ける気がしました。

結局は「常識」を共有できているかどうか

 でも、将来人類が宇宙に進出して、無重力空間で生活する人達が増えたら、「ボールペンから手を離したら普通浮くっしょ」って言われる日が来るかもしれません。

 つまり結局のところ、その相手との間で「常識」と呼ばれるものの合意が得られているかどうかなのでしょう。

 

 そして私の中の「普通」はおそらく、前述したような狭さであるので、持論や意見、考え方に「普通」と付けて述べられることに違和感を感じやすいのだとも思います。

抗争に発展しないために

 「普通」なる言葉は、相手と常識が共有できていればスムーズに伝わるかもしれませんが、そうでなかった場合に相手の常識に喧嘩を売る単語でもあるのではないかと思いました。

 例に挙げたブラウザのそれも、「ブラウザとはインターネットエクスプローラーのことを言っています」だけなら「そうですか」で終わる話です。

 もともと個人的には「普通」と言わないように気をつけていたところはありましたが、人の振りを見て我が振り直せといいますか、そんなどうでもいいことで相手の態度を硬化させないようにしていきたいです。

 また会話の中に「普通」が出てきたら、それがどの常識に基づいた「普通」なのかに注意を払って潰していきたいと思います。

 

 またそれはそれとして、普通普通連呼して持論を展開する系の人の話を聞いていると、その人の発するすべての意見の枕詞に「普通こうだろバッカじゃねえの?」って付いているのではないか…みたいな印象を脳内で補完してしまうようになるので、「普通○○」を多用される方はもしかしたら注意をしたほうがよいのかもしれません。

「普通」の落とし穴

 私が「普通」を嫌うのは、指している内容が不確定であるためでもあります。

 前述したように「普通」は個人の常識に基づいているものだとするならば、「普通」でオーダーした結果がどうなるかは、相手の常識に委ねられます。

 さらに場合によってはそれを逆手にとって都合のいいように詰められることもあります。

 個人間であればまあ言い争いとかで済むかもしれませんけど、ビジネスの場では致命的になることもありますし。

 いいことあんまりありませんね。

「普通」の代用として

 そうは言っても使いたいときはあると思います。私が「普通」という言葉を使いたいと思ったときには、まず「普通」を削って意図が通るかを考えますが、場合に応じて「多くの場合は」「一般的な」「自然な」あたりに置き換えていたりもします。「普通=多数派、マジョリティ」を指していることが多いので、それを明示していく感じですね。

 (「一般的な」は少々危ないところかもしれませんが、例えば普及率など、客観的な根拠と合わせてであればたぶんセーフかなっていう)

 

 

 しかし別に、雑談で出てくるたびに言葉狩りしてたり苛立っていたりしているわけでもないですし、私もそこまで潔癖に避けているわけでもないですから、結局はシチュエーション次第、相手次第、会話の内容次第ではあるのでしょう。

 なんにせよ自分の思考をだいぶ整理できたと思いますので、そういう言葉は自分の中で冷静にフィルタリングしていきたいと思います。

番外編:対プログラマ

 プログラマは「普通に作っといて」みたいな雑なオーダーをとりあえず実装したらば「普通そうじゃないでしょ! 普通に作れよ!」っていうクソ雑なリジェクト喰らったりすることに本当に心底うんざりしていたりする場合があったりするのでなおさら言わない方がよいと思います。それこそ普通に、「ここ直して」とか言ってくれれば済む話なんにね。

 逆にそういったことをわめいている哀れな生き物に出会ったらとりあえず距離を置くことを検討することが必要でしょう。


つまりこういう。

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