媒体によって温度感がありなんともな感じだったのが割と状況見えてきた感じなのでメモ。
本件について思うところはいろいろありますがそれはそれとして、状況の整理だけをしてみたいと思います。
「漫画を真似」された作者に申し入れを行う件が報道される
強制わいせつ容疑の男「漫画を真似」 県警、作者に異例の申し入れ (埼玉新聞)
6月13日に記載された記事。
「検査」と称して女性の身体を触ったとして、強制わいせつ容疑などで県警に再逮捕された男が、成人向け漫画同人誌を読んで手口を真似したという趣旨の供述をしていることが13日、捜査関係者への取材で分かった。県警は被害の再発防止に向けて、漫画の作者に模倣した犯罪が起こらないよう配慮してほしいと要請した。
とのことでした。
作者のツイート (本人も公言されているようなものなので情報ソースとして記載します)では、
といった、そういうことがあったよみたいな温度感。
漫画家個人のところに警察が向かってしまった格好になったのは、この漫画が「同人誌」、いわゆる個人で発行したものだったためだと思われます。
ただ同様の事件が毎日新聞でも報道されており、
埼玉県警 成人漫画作者に「配慮を」 わいせつ事件受け (毎日新聞)
漫画家は「少女が性的被害に遭うような漫画は今後描かない」と了承したという
こちらではだいぶ強めの文言が報道されています。
これに対する作者の方のお話
とのことで、(もともと趣味が変わってきているところもあって)その方向性の漫画はもう書く気がない、今回の件で余計そう思った、くらいの温度感かなと思います。
また毎日新聞の報道内容については、
とのことで、警察からの情報でそう伝わってきたとのこと。
総合すると、要約する過程と伝言ゲームでニュアンスが違ってきてしまった感じでしょうか。
作者→(もともとそうだったけど余計に)もうあまり描く気はないかも
警察→これからはあまり描かないってことかな
毎日→描くのを控えるらしい
みたいな。
警察庁刑事局からの回答
また、自民党参議院議員・小野田紀美さんが警察に事実確認してくださったようです。
その内容は小野田議員のFacebookにあります。
結論から申しますと、新聞の記事にあるように「少女が性的被害に遭うような漫画は今後描かない」というような了承を作者にとったという事実は確認できず、そういった圧力も加えていないとのことです。訪問の理由も、何かを指導するためということではなく、捜査の中での調査報告であり、そういったお話をするなかで、今後「作品を模倣して犯罪を行った」と容疑者に言われる等の供述に巻き込まれないように、例えば「この作品はフィクションです、作中の行為を真似すると犯罪になります。一切の責任を負いません」というような作家さんへの自衛の試みをご提案したような形である...という認識だったというご説明を頂きました。
該当作家さんおよび埼玉県警からではなく、警察庁刑事局のご担当者様からのお話だそうですが、内情として納得感のある内容だと思います。
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